「ありがとうな。」

「いえ…本当は、さっき渡せたらよかったんですけど緊張してしまって…。」





緊張している方が正解だったらしい。


とりあえず怖がられてはいないようだから安心した。





「そうか…悪いな。」

「いえ、私がしたかっただけですから。」

「開けてもいいか?」

「あ、はい。どうぞ…。」





綾部の了承を得て袋を開ける。

中にはおいしそうなクッキーが入っていた。





「もしかして手作りか?」

「はい、えっと…口に合わなかったらごめんなさい。」

「いや、甘いものは結構好きだから大丈夫だ。」





俺はこんな顔をしているが自分でも認めるほど甘党だと思う。

よく学校の帰りに何かとコンビニで買ったりもしている。