「お気になさらないで、朝陽」



「そうだよ、お前が責任を負うことじゃない」



一族の皆様が黒い正装に身を包んで葵様の葬式に出る。


私もその中にいた。



「...はい」



記憶が本当にないのだ。


思い出そうとしても頭の裏側をガンと固いもので殴られるような痛みがあるだけ。



_______私が葵様を殺した。






記憶がないのは辛い過去を思い出したくないから。


それは11歳の私にでもわかった。