「きゃぁぁぁぁっぁあああああああ!」





目の前にある。


葵様のご遺体。


葵様の胸に突き刺さったナイフからドクドクとあふれ出る赤い色の液体。



私には何が起こったのかわからなかった。



...というよりも覚えていない。




ただ、自分の手が葵様の血で濡れていることだけは感触としてあった。




私はこの事件の時の記憶がすっぽりないのだ。