「カイリ、わたし今日バイトで帰り遅くなるから先に寝てて」 「……ご飯は」 「適当に食べてくるよ。多分唯夏(ゆいか)や太一(たいち)たちと一緒に」 楠木快里(くすのき かいり)、それが彼の名前。 黒髪に切れ長の黒い瞳。 シュッと通った鼻筋に薄い唇は人形みたいに綺麗で。 わたしはあまり料理ができないから、基本的にご飯を作るのはカイリ。 「あ、ここについてるよ」