倉庫から出ると多数のバイクに

囲まれた一台の車が目に入った。


龍は迷わず、その車に向かった。

ドアに手を掛けてふと、

思い出したようにこちらを振り返った。



龍「美海、来い」


「え?」


龍「お前はこっちだ」


「バイクじゃないの?」


龍「お前は死にたいのかよ」



呆れたように笑われ、少しイラつく。

でも、それだけ危ないのだろう。


龍に連れられ入った車は

運転手さんの馨さんという人がいた。


「馨さん、お願いします」


馨「任せときな」


いつもの優しい笑顔に少し緊張が解れた。


後部座席に乗ると龍が隣に乗った。