11月2日


「林檎、陸に会ったん?」

「何でまた酔ってんのよ…」


土曜の夕方からまた飲まされたのかな?てか未成年…。

突然家に押し掛けてきた裕人は、真剣な目をしていた。


「良いから、会ったんやろ?」

「い…いや…?」


何で急に?それに誰から聞いたんだろう。


「嘘つかんでええから、」

「会ってない!!」


玄関のドアを閉め、ドアの前に座り込む。

ごめんね裕人、心配してくれてるのに…。

しばらくうずくまって、立ち上がり、ドアを開けると、


「裕人…」

「zzz」


ドアの横に座り寝ていた。

…裕人になら、話してもいいよね?


「…裕人、裕人ー」

「…ん?」

「上がって」

「あれ?俺寝てた?」


目を擦りながら家に上がる裕人は、いつも通りの裕人に戻っていた。

…陸にバレなきゃいいんだし、裕人に隠し事はしたくない。

部屋に座り、裕人に向き合う。


「裕人」

「ん?」

「私、陸と会った」


そのあとも、裕人は黙って頷きながら話を聞いていた。