「八幡さん、大丈夫?」

「え…あ、はい、大丈夫です」

「初日から大丈夫?…光井君授業行ったから…後でお礼言いなさいね、」

「光井君…」


光井って言うんだ…。

私は身を起こして教室へ行くか迷った。


「今何時間目ですか?」

「三時間目が始まったとこよ」


もう三時間目…。

これ授業出るのどうしよう…


「失礼しまーす…」

「あら光井君、どうした?」

「八幡さん大丈夫ですか?」


嘘…。授業中に来てくれたなんて…

生徒会の人は私の方へ歩いてきた。でも距離をとって止まった


「大丈夫?…ごめんね、」

「いや、こちらこそすいませんでした…」


ガラッ

保健室のドアが開き、他の先生が保健の先生を連れて出ていった。


「光井君ちょっと空けるけど授業いっちゃって良いからね、」

「はい」


保健室は私と生徒会の人だけになった。


「あの、」

「ん?」

「な…名前、聞いても良いですか?」


私は名前を聞くだけなのにかなり緊張してしまった。

生徒会の人はさっきまで先生が座っていた席に座っていた。


「言ってなかったか。光井柚希です。これでも生徒会副会長なんだよ」

「副会長…!」


そんな凄い人だったんだ…。


「あ、あと、なんで授業中に空き教室にいたんですか?」

「内緒ー。」

「は、はぁ」


なんか、不思議な人だな…。生徒会っていっても真面目すぎないし。


「ねぇ、何かあったの?」

「え?」

光井先輩が心配そうな顔をして私に問いかけた。


「いや、無理に話せとは言わないけど。俺でよければ話聞くよ?」


思い出したくない。今でもあの時のことが鮮明に思い出せる。

しかし、優しく微笑んだ先輩を見て、私は先輩に問い返していた。


「本当ですか?」