今何時なんだろう…。初日からこんなことになるとは…

その時、二回目のチャイムが鳴った。

そのチャイムと同時に廊下に生徒がちらほら出てきた。

何故か私は咄嗟に近くにあった空き教室に隠れていた。


「…はぁ」

「どうしたの?」

「…」


駆け込んだ部屋には机が並んでいて、一番窓際の後ろの机上に誰かが座っていた。


「…あ」


朝の生徒会の人…。


「あの後教室行けたの?」

「…」

「クラス見ないで飛び込んでいったでしょ」

「…はい」


生徒会の人は呆れたような、でも優しく笑った。


「さっきはごめんね」

「え…あ、いや、こちらこそすいませんでした…」


会話するのが怖い。目を合わせるのも怖い。私はずっと俯いていた。

すると、生徒会の人は近づいてきて私の顔をのぞきこんだ。


「…い…」

「…男が怖いの?」

「…っ」


そんなに近付かないで…。その時私は中三の夏休みの一日を思い出していた。

(りん、愛してる)


「はぁっ…」

「ちょっと、大丈夫?」


(可愛いよ、)


「え、ちょ…」


(俺はりんがいればいい)


「やだっ…」

「保健の先生呼んでくるから、待ってて!」


生徒会の人は教室を飛び出し、保健の先生を呼びにいった。

最近、また思い出してきた…なんで…。


気付くと私は保健室のベッドで寝ていた。