「っはぁっ!…は…、はぁ…」


夢か…、朝から気分悪い…

忘れようとしてるのになんでまた…

呼吸を整えていると、ハッとして時計をみた


4月9日 8時25分


「…!?」


初日早々遅刻の危機!


制服に着替えて何も食べずに家を飛び出す。


「…あ、鞄!!」


30分までに教室にいないと遅刻。只今27分。

遅刻確定…

とはいえ、今日から通う高校はうちの目の前。走れば5分あるかないかくらい。

高校の近くに来たところでチャイムが聞こえた。


「駄目だったか…」


門の前に来て、膝に手をつき呼吸を整える。

門を開けようとすると


「あれ」


開かない。まさかの閉め出された!?


「はい、遅刻だからあとで生徒会室来て反省文の紙貰って…って、一年?」

「…はい…」

門の向こうで小さいノートとペンを持った男子生徒が昇降口から歩いてきた。

黒髪に何も着いていないピアスホール、茶色が強い瞳。これが俗に言うイケメンというやつかな…


「初日から遅刻なんてすごいね、君だけだよ」

「あの、は、入れないんですか?」

「入れるけど、門上から股がっていくしかないね。」

「え?」

「先生が鍵持ってっちゃってさ、どこにあるかわかんないんだよね」

「…」


最悪…初日から休むはめになるんだ…

私は家に帰ろうとした。


「え、帰るの!?手貸してあげるから来なよ」

「いや、だったら一人で行きますんで…」


門に寄りかかって面白そうに私を見るこの人は生徒会…?

なんだかんだで門を股がっていくことになってしまった。