7月30日 夏休み



「暑いー!ねー林檎!光井先輩呼ぼうよー!!」

「いきなり何!?」


美紗は最近やたら光井先輩の名前を出すようになった。

今日は美紗と学校で補習を受けていた。この時間は先生がいなかった。補習生は他に三人いた。


「ねえ林檎、もったいないよ」

「何が!」


最近美紗は同じことばかり言う。もったいないとか、一歩踏み出せとか…。


「林檎光井先輩のこと好きでしょ」

「いや?」

「…」


そう言うと美紗は不満気な顔で横にいる私の頬をつねった


「何、裕人?裕人が好きなの?」

「何でもかんでも恋バナにすんな!」


美紗の顔をつねり返す。すると美紗は楽しそうに笑った。


「林檎には良い男と付き合って欲しいの。光井先輩と裕人は絶対に良い人。」

「あーはいはい」