「あーもう…ムカつく…」


さっきの冷たい態度の涼くんにずっとムカつきながら私は椎那ちゃんのクラスに向かっていた


ガラガラ…


私がA組のドアを開けると視線が集中する


え?と思ったけど正体は私ではなく、その後ろにいた太谷陣くんにだった


太谷陣くんと言えば涼くんと今田輝くんと並ぶ、この学園のイケメンだ


やっぱり綺麗な顔…と思っていると…


「邪魔。」


と吐き捨てるように言った


「へっ…?」


私は思ったことが口走って声にでてしまった


「だから、邪魔っつってんの。」


え、陣くんってこんな事言う人だったんだ…意外…


接点が無かったので知らないのも当然だ


「聞いてる?」


低くて通る声がまたした


「あ…す、すいません」


私は急いでドアのそばから離れる


「くすっ…よくできました」


そう言った陣くんの顔は少し笑っていた


ドキッ…


へっ?なに今の…ドキッ?意味わかんない…///


あ、椎那ちゃんに話があるんだった


「あの…椎那ちゃん?」


「ん…あ、結希。どーしたの?」


机に突っ伏して寝ていた椎那ちゃん


寝顔も可愛いかったなぁ…


椎那ちゃんは学園1モテる


可愛いんだけど気取らなくてサバサバしてるから余計にね


それに比べて私は超普通、可愛くないし可愛くないとも言えない


「ゆぅーーきぃ?」


「あ、ごめん。考え事してた。」


「そっか…あ、結希は誰の隣?席。」


突然の椎那ちゃんからの質問


「あ、えっと…小塚涼くん…」


「うっそ!ちょっと結希超裏山〜。ま、あたしも輝くんの隣だけど?」


椎那ちゃんが得意げな顔で言う…ってゆうか、輝くんの隣って2人して運よすぎじゃない?


椎那ちゃんの隣をみるとこちらも机に突っ伏して寝ている輝くんの姿があった


「良かったじゃない。椎那ちゃんの方が裏山だよ!」


「そぉかな?どっちもどっちよね。」


「おい。そいつ、椎那の友達?」


聞いたことのある声がした


「うん、そーだよ。結希がどぅかした?あ、もしかして陣、結希のこと好きになっちゃった?」


「はぁっ?…なわけねぇだろ」


鼻で笑ったその人は陣くんだった


「え…ちょっと、椎那ちゃん?陣くんと知りあい?」


「うん。そーだよ?幼馴染。言わなかったっけ?」


「聞いてないよぉ〜」


悪びれもなく椎那ちゃんが言った


「じゃあ、今いうね。幼なじみの陣です、はい。」


「ちょっと〜超てきとーじゃな…」


”キーンコーンカーンコーン”


チャイムに遮られた…


ていうか、授業始まっちゃうっ‼