茂みから出た後...


俺は近くの木に腰掛けた。丁度、中庭の出入口が見えるところにだ。




まだなのか?と待っていたら、バタバタと何人かが走る音が聞こえてきた。こちらに向かっているようだ。

「おい!見つけたか!?」


「いんや、全く見つかんねぇ」


そんな話し声が廊下と中庭を繋ぐ窓から聞こえて来る

ここから聞こえるということは結構近くにいるのだろう


一人の少年がピョコッと中庭を覗いて来た


「あっ...」


少年は俺に気付いたのか声を上げる


「おい、どうかしたのか?」


それに気付いた、赤髪の少年が俺と目があった少年−黒髪で片目を隠したような髪だ−に尋ねる


「いや、誰かそこにいて....」

「それって誰だよー」


緑髪の少年もそんなことを言いながら中庭を覗く


「あー本当だ。誰かいるじゃん」



そう言いながら三人組は俺に近付いて来る



「なぁ...お前.....誰だ?見た感じ二年だが俺はお前を見たことがねぇぞ」

そういったのは赤髪の少年。


響「知らないのも当然さ....俺は今日ここに転校してきたんだからな」


一応、総長の時と暁 響の時の声は違う。今は暁 響の声だ

「転校生...?あぁ...暁っていう名前の....」



「暁.....?俺らが探してるやつの名前じゃねぇか!」


「ふーん...こいつが...いい度胸してるねーいきなり入って幹部になるなんてー」


まぁ...こうなるよなぁ、面倒だな...


響「ククッ.....転校生ではあるけど俺の名前は暁 響じゃねぇよ?」


「「「はっ!?」」」


驚くのも無理はない、最近転校してきたのは俺以外いないのだから


響「そんなにに知りてぇのか?」


俺がそう聞くと三人は即座に頷いた


響「素直で結構...」


俺は声を総長−つまり地声だ−の時の声に変える


響「この声で.....誰かわかんねぇかな?」


「は?わかんねぇよ!」


「どこかで聞いたことがあるような...」


「.......総.....長?」


響「ハハッせーいかーい!いやー流石だね。流石同じ雷神の仲間なことはあるよ。えーっと、赤髪が唯斗−ユイト−、黒髪が霧音−キリネ−緑髪が快斗−カイト−だっけ?」




三人はコクンと頷く


いやー間違えてなくてよかったー記憶力悪いから思い出すのに結構時間かかっちゃったしなぁ....