部屋に荷物を置き、真ん中の部屋に集まったアニア達は早速お金の自慢を始めた。



「私は100円稼いだよ。とっても美味しい料理店があって、そこで働いたの。店の主人が妖精はいい売り子になるって言ってたのよ!!」


シンシアは鼻をならした。


それを見たミカドはため息をついた。


「はあ、お前は女だからいいよな....。俺は男ってだけで重労働だぞ。でも、200円だ。」


マローニは申し訳なさそうに言った。


「....私は1000円。落し物の財布を拾って渡してあげたら、1割と言って900円で、残りはシンシアと同じようにしました。」


ラミアスも続けて言う。



「俺は、10000円。商品の取引の仲介人をしたんだ。知り合いがいたからな。」


イルはニコリとして言った。

「私は200000円です。....あれ、ラミアス。残念ですね。王子様も所詮は経済力で私より負けるのですね。」


ラミアスがギロりとイルを睨んだ。


シンシアが涙目で聞く。


「アニアはどうだった?まさか100万稼げたの?そんなわけは....」


「稼げたわ。」


「へっ?」


「私は10000000円。だから、私のお金で馬車は買えるわ。」



はっきりと言い切ったアニアにシンシアは絶望した顔でへたり込む。


「?どうしたのよ、シンシア。今までしてきたことが無駄だったような顔をして。」


「そこまで分かればわかるでしょ。」

シンシアはミカドをつつく。



....動かない。


そんなことも気にせずにイルは言った。


「流石ですね。あの大会は剣技が最も稼げますからね。」


「イル!!アニアと一緒にいたのか!!」


ラミアスがイルに掴みかかろうとした。


そんなラミアスをイルはあっさりかわした。


「たまたまですよ。たまたま。」


アニアはそんな二人を見てため息をついた。

「シンシア。私は馬車を買いに行くわ。」


ぼそっと低く呟き、宿屋を出た。