馬車はかろうじて馬のあとをついてくる。





馬車内ではみんながトランプをしていた。


だが、急に馬車のスピードが上がり、それどころではなかった。


シンシアは窓を見た。


あっという間に風景が変わっていく。


ミカドとラミアスは同時に言った。

「信じられない....。」

「何がです?」


イルは尋ねた。


「この馬は足が悪くってな....。走るとしても時速40kmしか出せないと言われたんだ。でも、今は時速180kmは出てるぞ。」


ラミアスがそう言い終わった直後に馬車が急停止した。


そして、馬車内の全員が吹き飛ばされて顔を壁にぶつけた。