一方、ラミアスとイルは仲良く話をしている。



「イル、どうしてあの森にいたんだ?」



「ラミアス、これを話すにはかなりの時間がかかります。覚悟はよろしいでしょうか?」



イルは至って真剣な顔で言った。



ラミアスは少し考え、


「ミカド、あとどのくらいで着くんだ?」

と言った。

「ああ。後、1日は最低かかる。」



ミカドは即答した。



ラミアスはそれを聞くと、イルに向き直り、コクリと頷いた。



「本当に準備はよろしいのですね?」



「ああ。」



ラミアスは唾を呑んで言った。



「実はですね....。」



ラミアスは目を見開いてイルを見る。



「....旅を一度してみたいなと思いまして。ここから最寄りのあの森に入りました。そしたら、いました。」



「....、それだけかよっ!もっとこう....他にないのか?」



「言ったでしょう。長い話だと。」



「これのどこが長いんだよ....。」


「俺の旅をしようとした理由が長いんです。」



「....。お前の旅をしようとした理由なんて一言で片付く。」



「ほう....。それはなんですかね?」



イルは威圧感を出して言った。



「暇だったからだ。」



「....。」



イルは威圧感を小さくして、押し黙った。



困ったのはラミアスだった。



....図星か?



どうして黙った....。


突如イルは笑い出す。




「はははははは!さすが、王子様!お察しが早いですこと。そうですよ!俺は単なる暇人ですからね!!」


イルは開き直ったのか笑いながらベラベラ話す。



「....。」


「....なんで急に黙るんですか。」



「....お前の反応にどう対応したらいいかわからん。」



「....俺はそんなに対応に困るような人格は扱っていませんが。」



そんな二人のやりとりを見つめていたマローニはいきなりクスクスと笑った。



笑われた二人は目を細くしてマローニを見ていた。



マローニは嫌な予感がして笑いをやめた。