シンシアはラミアスが自分を庇ってくれたと思い、顔を明るくさせた。



ラミアスにもちろんそんなつもりはない。


ミカドはため息をついて、ラミアスに説明した。



「妖精は太古からいる生物だ。妖精に神は魔術を与え、地球を守らせる番人にしたんだ。けれど、神は用心に用心を重ねた。神はいつか妖精が反乱を起こすという最悪のリスクを考えて、一人一種類の魔法しか持てないようにしたんだ。しかし、あるときに知らぬ合間に悪魔が誕生した。理由はわからない。そして、悪魔は地球の番人である妖精を消そうとした。先代の王は悪魔を止めようとし、神に助けを求めた。神は三十六個の鍵を渡した。これらは神が世界を守るために作った鍵。だから、特別で、三十六個の鍵はそれぞれ二~三種類の魔法を使えた。さらに、その使える魔法も全て戦闘系の魔法なんだ。そして、威力も半端ない。先代の王はこれを三十六系の鍵と称し、その中でも三種類使える鍵を八世の神鍵と呼び、一番強い鍵から順に火神の鍵、水神の鍵、雷神の鍵と呼んだんだ。さらに残った二十八個の鍵の上位十二個は聖なる鍵、残りはミラクルキーと呼ばれた。」


「なるほど。」


ラミアスはわかったように頷く。


ミカドはしかめっ面をしてさらに続けた。


「だが、それらの鍵は神が呼び出した以来、呼び出せた記憶はない。どんなやつでも呼び出すことが出来なかったんだ。…悪魔でも…。」


「でも、シンシアは二種類も使えた…。」


ラミアスはミカドの言いたいことを言う。


そして、ミカドとラミアスは怪しげにシンシアを見た。