アニアは完璧に悪魔の気配が消えると、ため息をついた。
そして、シンシアに近寄る。
シンシアは魔法でミカドの治療を終え、ラミアスの治療をしている。
ミカドは既に動き回っていた。
「おお、怪我したはずなのに治ってやがるぜ。すげーな。」
シンシアはミカドの言葉を聞くことができないほど必死で治療をしている。
しばらくしてようやくラミアスが目を開けた。
「?」
ラミアスは体を起こして、何が起こったのか理解をした。
そうか、シンシアが治してくれたのか。
シンシアの方を向く。
「ありがとな。シンシア。」
シンシアは真っ赤になってコクリと頷いた。
一部始終を見守っていたアニアは腕を組み、二人はやはり恋人なのだという関心をしていた。
ミカドはシンシアが治療を終えたことを知ると聞いた。
「お前、確かバリア魔法を使っていたよな?どうして二種類もの魔法を使えるんだ?おかしいだろ。」
シンシアはそれを聞いてビクッと肩を震わせた。
どうしよう!!
バレちゃう!!
アニア!!
ヘルプミー!!
くるりとアニアに顔を向ける。
「アニア、怪我してない?良かったら治してあげようか?」
シンシアは棒読みで聞く。
「あいにくだけど、私は無傷なのよね〜。」
アニアは素っ気なく言う。
シンシアはいらついた。
何よ!!
私がラミアスとイチャイチャしていたから気に入らないっていうの?
私を早く助けてよね!!
ミカドは話を流されたことに気づき、怒った。
「おい、シンシア!無視すんじゃねーよ!普通妖精は一種類しか魔法を使えないはずだろ?なのにどうしてお前は使えるんだ?おかしいだろ?二種類も使えるのは三十六系の妖精だけだろ。」
ラミアスは疑問を口にした。
「三十六系ってなんだ?」