アニアはのどかに壁に寄りかかって本を読んでいる。


ようにも見えるが、実はアニアは辞書で魔物を調べていたのだ。

『大きな魔物、いわゆる巨大魔物。
それらはボス級魔物であり、人間が大好物である。』


アニアはさらに、目の前にいる魔物について詳しく調べた。

『象型の巨大魔物はエリーラと言われ、物理攻撃がよく効く。弱点は脳天。』


アニアは本をパタリと閉じた。



同時にシンシア達も魔物に吹き飛ばされた。


「うっ。」


シンシアのうめき声が聞こえる。



アニアはシンシアを一度心配そうに見て、剣を抜いた。



リョウガはその様子をじっと見つめている。



剣はスラリと金属の音がし、抜けた。



エリーラはアニアに素早く攻撃を仕掛けた。



だが、アニアは軽くよけて、エリーラの脳天に剣を打ち下ろす。



剣が重い衝撃と共に大きな音をあげる。



ドゴっ!