アニアはできるだけ静かにドアの前に来た。


そして、ドアに耳を当てる。


その瞬間、話し声が聞こえた。


ラミアスもアニアと同じように耳を当てる。


話し声はやはり続いている。



ラミアスは気づいたらドアを蹴り飛ばしていた。



ドン!!!


大きく豪快な音を立てて扉は吹っ飛び二人の男の近くまで来た。




男たちはそれを見事にジャンプしてかわした。




その瞬間にアニアはハッとした。



あの男は…。



鍵を盗んだ……。




「すみません。思わず扉を壊してしまいました。でも、その鍵は俺達のなんで渡してもらってよろしいですか?」



王子らしくラミアスは丁寧に話す。



一瞬間を置いてミカドが言った。



「悪魔だな。」


シンシアは聞いた。



「えっ。人間じゃないの!?」


「ああ。人間に見えるが魔力を持っている。なんせ、服がそうだ。」




ミカドはギラリと目を光らせた。



アニアは少年をじっと見ていたが、ドアの破片が視界に入るとラミアスを怒った。



「ラミアス!?何してんの?勝手に扉を壊したらどうなるかわかってんでしょうね!?」



そんなどうでもいいことで怒ったアニアにラミアスは驚いた。


「はあ?なんでそんなこと急に怒るんだ?いいじゃないか。もう、壊してしまったことだ。」



「…。後で請求来ても私は支払わないわよ。」



「……。請求来るのか?」


アニアとラミアスのやりとりを面白がって眺めていたソウは遂に口を開いた。



「はは。君たち中々面白いね。けれど、人間が何のようかな?この鍵は妖精の物なんだよね〜。」



アニアは冷や汗をかいた。



また、バレそうな展開に…。



シンシアはアニアが何も言えそうにないのを見ると答えた。



「フェアリークイーンのテルミトラ様に頼まれたんです!!!返して下さい。」



ミカドはシンシアの発言に驚いて目をパチパチしている。



普通の鍵じゃなかったのか?



なんで、あいつら嘘ついてたんだ?


ソウは呑気にリョウガに聞いた。



「知っているか?」