そして、うっかり口を滑らせてしまった。
「ここに、『フェアリー蒼剣エクストラ』があるでしょ?」
ああ……。
私ってずいぶん口が軽かったのね……。
初めて知った。
妖精は驚いたように
「えっ?」
と、呟いた。
すると、今まで黙っていた主人が口を開いた。
「ほう……。良くわかったな。あんた、どうしてそれを?」
ヤバい。
ばれると思ったアニアにシンシアの助けが入った。
「ねえ、アニア。フェアリー蒼剣エクストラって何?」
しかし、この言葉は助け船とは言えなかった。
この事を知っている私は、いずれもばれる。
助け船と期待したのは間違いだった。
しかし、次の瞬間にパッとアイデアがひらめいた。
アニアは小さいポシェットの中からノートを出した。
適当にページを開き、あたもかも読んでいるかのように見せかける。
「それは、妖精界の守護神、蒼が作ったとされる剣のひとつよ。エクストラとは、妖精の英雄、エクストラが持ってたからって訳。」
主人は感心したようにアニアを見た。
大成功ね!
アニアはほっとした。
「へえ……。この剣の名はそういう意味だったのか。武器屋にとっては情報は金を意味する。ありがとうよ。お礼にこれを持っていきな。」
主人はフェアリー蒼剣エクストラをアニアに投げた。
アニアは驚いた。
まさか、あの伝説の剣が一つただだなんて……と、内心喜びながら。
だが、お金は払わなければ私のプライドが崩れる。
話がめんどくさそうと思っていたシンシアは、そのままお礼を言い、プライドと戦っていたアニアを連れて、店を出た。
アニアはシンシアの行動を半分恨みながら、お金を払うことをあきらめた。
しかし、目はシンシアを睨んでいたようだ。
だが、シンシアは気づかずに歩いていた。