屋上から私たちの街を見渡すと嫌でも目にはいるのが満開の桜の木々




その中でも一番目を惹くのが町外れの丘にある大きな桜


「何見てんだ?」

「桜だよ、それも一番大きな、ね。」


私はその桜を指差す
狗鷺は納得し


「1000年桜か。」


1000年桜?


「何それ?」


狗鷺は驚いたように目を見開く

そんな目で見ないでよ
知らないものは知らないんだもん


「お前何年この街に住んでんだよ…。」

「17年とちょっと。」


そう言うと狗鷺はわざとらしく大きな溜め息をついた

ムッそんな溜め息つかなくてもよいじゃん


「で、1000年桜って何なのよ?」

「その名前の通り1000年前からあの丘に咲いてある桜だよ。」

「本当にそのままね。」

「あとは何か言い伝えがあるらしいぜ。」

「言い伝え?」