時計を見上げると、昼休み終了の時刻が、刻一刻と迫っていた。
本当、先生と二人の時間はあっという間だ。
胸が苦しくて、仕方ないはずなのに、なんでだろう。

この時間が永遠に続けばいいと、思ってしまう・・・。



「戻りたく、ない・・・・」


「え・・・・・?」



はっ・・・!


私いま、思ったことが、口に・・・



「山本?」



先生の、心配そうな声色。
でも、恥ずかしくて、顔、見れない。


やってしまった・・・・


顔が、焼けるように熱い。
どうしよう、何か言わないと・・・でも・・・



「お前、顔、赤・・・」



先生が言いかけた言葉を遮って、立ち上がる。

顔、見られた・・・最悪・・・・。

こんな反応、見られたら、もう。
先生と今まで通りにできないかもしれない・・・。


逃げよう。


と、教室の扉へ向かおうとするも、腕を掴まれ、動きを封じられてしまった。

先生、手、熱い・・・。


これで私が振り向いてしまえば、すぐそこに、先生がいる。
目が、合ってしまうかもしれない。

それは、かなり、まずい・・・。