「突然だが、お前に1つ頼みごとがある」


ある日、いつものようにテーブルに向かって勉強をしていた時だった。
お父さんが真剣な顔で私に話を切り出してきた。
そして、私の人生を変えた一言を告げた。


「お前に、マネージャーをやってもらう」
「……へ?」


あまりに唐突で、私はマヌケな声を出す。
私、萩野彩里はシャーペンを動かす手を止めてお父さんを見た。
今は20歳。大学に行きながらテレビ業界の仕事を夢見て勉強をしている。
そんな私に、お父さんは前触れもなく言ったのだ。


「今の勉強は続けてもらって構わない。だが短期間で良いんだ、やってくれないか」
「ど、どうしたのお父さん?」


頼み込むお父さんに声をかけた。
だって、いきなり言われても納得出来ないし、はいそうですかって言えないよ!