「カレー♡カレー♡私のカレー♡」

望永は朝から楽しみにしてたカレーのことで
頭がいっぱいなご様子。
とびっきりの笑顔に
男子が見とれてることなんて
気にもしないんだからこの子は、

「よしっ。行こうか」

リュックを背負って教室を出ようとしたとき

「美夜さん!」

ん?
振り返らずともわかる声で
木根君は私の名を呼んだ。

「僕の学校案内、君にお願いしたいんだけど、
もう帰っちゃう?」