「…お前は案外女々しいやつだな」


想汰は「悪ぃ」と軽く手を振って、何事もなかったように麺をすすり始める。

昴は激しい動悸を落ち着かそうに深呼吸をして、箸を進めた。


少し結海のことを揺さぶりにかけただけで、ひどく動揺してしまう自分に情けなさにを感じた。

昴は嫌いなソース類を器用に皿のはしに分けながらため息をはく。

「好き嫌いするな」

「想汰さん、お父さんみたい」

「お前のお父さんがよくいってたのか」

「……………。さぁ」

「わかんねぇなら言うな」