「なあ、考えた?進路のこと。

もう中学3年の秋だよ。

ずっと家に籠っててどうするのさ。」



雄吾は私の進路を心配してくれる唯一の存在。


雄吾の優しさに感謝してる。

けどその期待には応えられない。


なのに、

雄吾の心配そうに私を見つめる瞳を見た時、

ほんの少し思ったんだ。



あー、雄吾に心配かけてちゃダメだなって。



だからかな、書道の高校に行こうかって考えたのは。



いつもの私だったら絶対に考えないのに。



これが書を目指すきっかけとなった。