「意味もないことを隣でブツブツ言われると迷惑」

「ごごごめんねっ」




うわ、言葉キツイなあ。


でも何でだろう。




少し……嬉しい。




滝くんはあたしの方を見向きもしないで、また勉強に取り掛かった。



参考書を持つ、長くて綺麗な指。

ノートを見つめる伏し目がちな目。




って……あぁ!!!

なに見てるのあたし!!!!



これじゃあ…これじゃあまるで。




あたしが、この超真面目な滝くんに恋してるみたいじゃない?!




一人でバタバタしていると、また隣からキツイ言葉が飛んできた。




「うざい」

「……ごめんなさい……」



ああ……バカ、あたし。