「滝くん…字、綺麗だね」
「…………」
うわあ。
無視された。
いやでも…これが滝くんの普通なんだ。
昨日が異例だっただけ…。
滝くんが人と話してるのを見るのは本当に稀だし…。
だから、最初に声をかけてきたとき、聞いたことない声でびっくりした。
めげずに話しかけたら、滝くん話してくれるようになるかな?
と、自分で考えておいてハッとした。
どうしてあたし、そんなに滝くんに話しかけようとしてるの?
今まで隣の滝くんなんかに話しかける気すらなかったのに。
ただ隣の席の真面目な男子生徒くらいにしか思ってなかったのに。