優しいんだか、優しくないんだか…。



滝くんって何考えてるかわかんない。



でもそんな滝くんが好きなんだよなぁ。



バカなのかな、あたし。



「止まれ」

「え?」



やっと下駄箱に着いて、ローファーに履き替える前。



昇降口から、もう日が落ちそうなうっすらとした光が差し込む中。


滝くんはとんでもないことを言った。



「口開けて」


「…はっ?!」


「口開けろって言ってんだよ」



なななななに言ってんの、滝くん!!



あたしたちまだ…数分前に付き合ったばっかりだよ?!



まだ…そういうことは…っ。