「……お前がわかんねぇ」
口を覆われていた手をそっと降ろして、あたしの顔の横に手をついた。
苦しそうな表情で、あたしをじっと見つめてくる。
「た、滝くん…?」
「俺に話しかけてきたと思ったら泣いたり、また話しかけてきたと思ったら青木のとこ行くし。
なんなのお前」
なんなのって言われても…。
「なんで急に青木くん…?」
「ムカつくんだよお前」
あたしの話聞いてなーい!!!
一方的に話し続ける滝くんを、あたしは見てることだけしか出来ず。
「だいたい、そんなに俺に話しかけてどうしたいわけ?」
「どうって……」
滝くんが…好き、だから話したかったなんて今言える雰囲気じゃないし…。
ていうか、好きなんて言ったら…滝くん怒りそうだし…。