気持ち起き上がって、音のした方を見る。
「え……なんで…」
落ちていたのは、あたしが先輩に振られて泣いていたときに食べた
あの、甘いチョコレート。
足音がだんだんこっちに向かってくる。
「…滝く…何で…」
本日2回目の“なんで”。
なんでチョコ?
なんでもう帰ったらはずの滝くんがここにいるの?
顔が涙でグチャグチャなのも忘れて、呆気にとられていた。
「…また泣いてんの」
「ほっといてよ…」
あたしの目の前に来た滝くんは、自分の机の中を漁った。
……忘れ物?
「あ、あった。忘れたら今日の復習出来なかったわ」