女手1つで私達を育ててくれた人。 そして、 私の両親を唯一知る人。 ただ、お母さんには聞けない。 私が、「記憶を取り戻したい」と告げた日。 お母さんが泣いていた。 それ以来、一言も告げていない。 ただ、 その日から私は病院に通いつめている。 病院に送る時のお母さんはたまに辛い様な顔をし、無理に笑顔を私に向ける。 その顔を見るたび、胸が軋(きし)む。 .