駆け寄ってきたのは見覚えのない男の人だった。

でも、上履きの色からして3年生だということは分かった。

「大丈夫!?本当にごめんね」

そう言って申し訳なさそうに謝る先輩。

「大丈夫ですよ」

わたしが前見てなかったからぶつかったのに。

その人はせっせとわたしの散らばった鞄の中身を拾い集めてくれた。