「はぁ…うんうん、分かった分かった。君、保健の授業が好きなわけ?」

軽く睨むように翔太を見ると、彼はニヤけながらも左手の親指を立てた

「実は奈津も好きなんだろ」

「は?」

「スッケベ~」

「何勝手に言って___「上原さんと篠崎くーん…?」

ぽん、と私の肩に手を置いた人物___先程まで黒板の前にいた、保体担当の水原真弓先生だ

「貴方達は本当に仲が良いのね」

腕をくみ、首をかしげて整った顔を歪ませる
いつもの怒る時の癖だ

揺れる長い黒髪が、女性らしさをより感じさせる

「センセー俺のことは翔太って呼んでよー」

「廊下」

「ちがくてー、俺は翔t「廊下」

「……………はい」

そういって渋々と廊下に出る翔太

「上原さんも」

「は、はいっ」