春馬は口が軽くなんかない。
それは俺も安藤も空来も知ってる。
だからこれは、俺にも頷かせようと
してるってことなんだと思う。
「蒼海・・・」
「空来は安藤がいないと寂しいよ。
ずっと一緒だったんだろ?
それなのに急にいなくなるんだろ?
それを俺たちが黙っていても・・・
空来は気付いてしまうんじゃない?」
2人がずっと一緒にいたのなら
空来は安藤の変化に気付くと思う。
「分かってるよ。覚悟はできてる。
いなくなる前の日には遠まわしに
空来には遠まわしに伝える。
それまでは・・・頑張る」
“頑張る”そう言われたら
反対できる訳がないよ。
「・・・分かったよ」
そう言ったら安藤は本当に
安心したように笑った。