先生は空来の席に向かって歩き始めた。



「ここからは高橋、自分で読め。


高橋が持ってて良いから。


・・・HRは以上で終わり!


授業に遅れるなよー」



先生はやけに明るい声をだして


教室を出て行った。


俺は、俺と春馬は安藤から聞いてた。


転校することじゃない。


“転校する”って嘘をつく原因を。





運動会の1週間前


俺は転校してきて間もないけど


空来と安藤、そして春馬と


昔からそうだったかのように


仲の良い友達になっていた。



「おはよう、田中くん」


「安藤さん、おはよ」



そう返したら、顔をじっと見られた。


どうしたんだろう。


俺はそう思って見つめ返した。



「ふふっ・・・」