正門を去る時の舞衣の姿が忘れられなくて
運動会2日後の夜は眠れなかった。
舞衣がいなくなるはずはない。
だったらどうして舞衣は泣いたのか。
あんなことを言ったのか。
気になって仕方がなかった。
田中くんや牧野くんに電話して
聞いてみようかとも思ったけど
最後のボタンが押せなかった。
舞衣が2人に話しているとしても
2人は絶対に教えてくれないから。
「気をつけてね」
「うん。行って来ます」
朝、正門で車から降りて靴箱に向かう。
いつもなら、この場所から舞衣の姿が
見えるはずなんだけど、遅刻かな。
今日はどんなに近づいても
舞衣の姿を確認することができなかった。
だから1人で荷物を持って
1歩ずつ教室に向かった。
荷物を持ってるせいで上手く歩けない。
いつもは舞衣が持ってくれるのにな。