「あの時、牧野くんが走らなかったら


1年生の子は辛くて仕方なかったと思う。


青雲グループのテンションは


下がったままだったと思う。


だからって、ずるくないとは


言い切ることはできないんだけど・・・」



だんだん、何を言いたいのか


分からなくなってきた。


頭が少し混乱してる。



「ずるいのは、青雲グループじゃないよ」



少しの沈黙の後、お姉ちゃんが言った。



「ずるいのは、空来に足を引っ掛けた子」



花恋ちゃんが、ずるい?



「口で言うだけならまだ分かるよ。


でも手や足を出したら駄目だよ。


もし空来が反対の立場だったら


どうしたと思う?」



もし私が反対の立場だったら・・・


その答えは、もう決まってる。



「ずるいって思っても


一生懸命走ったと思う」