笑われそうだけど私にとっては
怪我したことでショックを受けるより
優勝したことで喜ぶ方が大きい。
1年間夢見てたことだから。
「みんなも明日はゆっくり休んでね。
お疲れ様。また明後日ね。バイバイ」
今までみんなに対して話したことなんて
ないに等しいのに、何の戸惑いもなく
クラスのみんなに声をかけた。
みんなも“バイバイ”“高橋こそ休めよ”
って言って教室から見送ってくれた。
「お待たせ」
正門の前には車が1台停まっていて
お父さんとお母さん、お姉ちゃんが
私が来るのを待っていてくれた。
「舞衣ちゃん、ありがとうね」
「いえ。親友ですから」
舞衣にそう言われると少し照れる。
お姉ちゃんが舞衣と話してる間に
私は後部座席のお姉ちゃんの隣に
お母さんに手伝ってもらって座った。