みんなが頑張ったおかげで今の順位は


2位まで上がってきてる。


牧野くんも距離を縮めてくれた。


私が1人抜けば、リレーは1位。



「高橋!・・・走れ!」



走りながらでも、ちゃんと聞こえた。


軽く走れの合図だよね。


私は少しずつ足を動かして


駆け足程度に走り出した。


牧野くんがバトンを入れられるように


左腕を伸ばして手を開いた。



「はい、パス!」



牧野くんの声と同時に手のひらに


バトンの感触を感じた。


思いっきり握りしめて、後は走るのみ。


女の子の分も走る。


さっきできた目標も胸の中にある。



「空来!いけー!」



青雲グループの前で聞こえた舞衣の声。


隣には田中くんの姿も見えた。