「とりあえず立てる?」
女の子に言ってみたけど無理みたい。
立ち上がろうとしたら足がぐらつく。
どうしよう。
私には運べそうにないし。
「高橋、先生が連れて行くから」
現れたのは担任の先生。
「あ、ありがとうございます」
「高橋はしっかり走れな」
私が頷いたのを見て先生は女の子と
一緒に救護席に向かった。
怪我、ひどくないと良いけど。
それに、牧野くん。
大丈夫かな?
「え?」
さっきので他のグループからは
大きく離れているはずなのに
牧野くんはもう少しで2位に
追いつくところ。
うそ・・・信じられない。