「OK。言われたようにするね」
「うん!頑張らなくても
高橋なら大丈夫だろ」
「え?」
びっくりした。
そんなこと初めて言われた。
「いつも頑張ってるんだからさ。
こういう時くらい気楽にやれよな。
俺が前に走るんだし。
アンカーだから特別に頑張らないと
いけないって法律はないんだし」
嬉しくてうるっときたんだけど
“法律”って、大げさでしょ。
思わず笑っちゃったよ。
「真剣に言ってんのに・・・」
あ、落ち込んじゃった?
「ごめんね、牧野くん」
「じゃあ・・・絶対にバトンは落とすなよ」
すごい。
この言葉なら私にも
プレッシャーにはならない。