「青雲グループ、行くぞー!」



グループ長さんの掛け声で私たち


青雲グループの応援が始まった。


私、普段1人でいると大人しいけど


こうして盛り上がるのは嫌じゃない。


だから声をお腹の底から出す。


そしたら、一瞬だけ見えた。


近所に住む3年生の先輩の目に


涙が光っていた。


その先輩とは幼稚園から一緒だから


小さい頃からよく知ってる。


小学校に入っても養子として今の家に


行っても中学校に入っても


いつも優しくしてくれて


私にとってはお兄ちゃんみたいな存在。


いつも強くて涙なんか見たことない。


だから、今、初めて見たんだ。


泣けるってことは、この中学で


仲間と過ごした3年間が充実してた


充実してるってことだよね?


私も来年、そんな気持ちになりたい。


みんなと仲良くなって協力して心を合わせて

“卒業したくない”って思える


そんな日々を過ごしたいな。