ご飯を食べながら、空来の家族は
お父さんのことについて教えてくれた。
半年前に事故に遭って
怪我をしたらしい。
それも、女の子をかばって。
その時の後遺症で声を失い
足も動きにくくなっているんだって。
『半年前に事故』
そう聞いて
俺はある記憶が頭をよぎった。
空乃も半年前に事故に遭ってる。
ストレスいっぱい溜めて何もかもから
逃げ出したかったんだと思う。
でも、それは結果、俺を施設に
入れることになった。
両親は俺が空乃に悪影響だって
そう考えてるから。
あの時、空乃は
見も知らずの人に助けられた。
それは多分、空来のお父さんではない。
それでも俺は、お父さんが女の子を
１つの命を助けてくれて良かった。
