さっきのお姉さんみたいに
俺の顔をじっと見てる。
やっぱり俺の顔に何かついてる?
「あ、田中くん。私のお父さん」
空来に紹介されたから
自己紹介しようとしたけど
できなかった。
お父さんの手が俺の頭を撫でたから。
「今度、遊びにおいで」
息で喋った。
俺にはすぐにこの状況を
理解することはできなかった。
「あ、今度遊びにおいでって」
聞き取れなかったと思ったのか
空来が教えてくれた。
「うん。ありがとうございます」
お礼を言ったら、お父さんは
たまに空来がするみたいに
すごく優しく微笑んでくれた。