「とりあえずリレー見よ」
さんざん困った後、諦めたように
安藤は視線を空来に戻した。
まずは空来の番。
空来はアンカーらしくて
緊張した面持ちで座っている。
空来のあんな顔は初めて見るかも。
『まずは女子の部です。
各グループの第1走者は
スタートラインに立ってください』
アナウンスの後、空来が座っている
位置が1つ前にずれた。
『位置について・・・よーい、ドン!』
走り出した女子を見ながら
さっきの安藤の言葉の意味を考える。
俺が空来を意識するってどういう意味?
どれだけ聞いても安藤は
教えてくれそうにないし。
後で春馬に聞ける内容でもなさそう。
かと言って、弁当の時には空来に会う。