「そうだよな。いや、何でもないよ」
引きつった笑顔になってないかが
少しだけ心配だけど俺は笑顔で
春馬にそう伝えた。
春馬は特に気にしてない様子で
“そう?”とだけ言った。
実は、まだ春馬には話せてない。
勘づいてるみたいだから普通に
言っても良いんだろうけど
俺にはまだ、勇気がない。
「蒼海?教室戻ろうぜ」
「ん?うん。行こう」
今日のお昼は1人で食べることに
なりそうな予感がする。
去年までは一応妹と
同じ学校だったから運動会とか
行事には親も来て一応だけど
一緒にご飯も食べていた。
でも今年は先生が来てくれても
一緒に食べることはできないから。
形だけでも家族はいた方が
良いに決まってる。