話してなくても空来には分かるんだ。
「ありがとう、空来」
「ううん。出しゃばってごめんね」
空来が謝ることは何もない。
俺は空来の言葉に救われたんだから。
「でも!桜花ってことは
やっぱり頭は良いんでしょ?」
さっきとは全然違う笑顔になった空来。
興味津々って感じ。
「や、そこまで良くは・・・」
本当に
クラスの真ん中くらいだったし。
「謙遜だって!私よりは良いから」
「空来の成績知らないし。
それに俺はクラスの真ん中くらい」
俺の言葉に
空来は何故か目を丸くした。
「桜花の真ん中ってすごくないの?」
すごいも何も、俺は桜花以外の
世界をまだ知らない。