「桜花って忙しいんでしょ?」
「うん、遊んだことほとんどない」
もともと部活動がないほどに
桜花の生徒は毎日毎日ホントに毎日
課題に追われてるんだ。
だから放課後はもちろん
休みの日にも休む時間はないに等しい。
「お父さんやお母さんにプレッシャー
かけられるってどんなことなのか
正直私には分からないんだけどね」
隣に並んだ俺に空来が何かを
話し始めた。
「空乃ちゃんが経験できないことを
田中くんが代わりに経験してるって
そういう考え方はしたら駄目かな?」
俺が空乃の代わりに?
「きっと空乃ちゃんは田中くんのこと
大好きだから恨まれたりはしないよ」
俺はまだ1度も空乃に恨まれたら
どうしようって不安は空来に
話してないはず。