「桜花の友達、会いたがってるよ」



桜花は俺が1学期まで通っていた学校で


空乃も今、通っている。


有名な私立の学校。


持ち上がり式じゃなくて小学校も


中学校も高校も大学も入試がある。


おれは、いくら入試で受かっても


両親には認めてもらえない存在。



「そっか・・・


あいつらに何も言ってないしな」



1学期までは普通に通って


転校することが決まったのは夏休み中。


友達に伝える方法もなかった。



「俺も会いたいって・・・伝えて」



空来が俺の顔を見て


心配そうにしてることは分かってる。


空来は多分


人の気持ちの変化に敏感。


だから俺が少しでも泣きそうだったら


今みたいな顔をする。